お酒の適量が分からない人へ|飲みすぎを防ぐ結論
「お酒はどのくらいまでなら飲んでもよいのか」「いつも予定より飲みすぎてしまう」と悩む人は少なくありません。
結論からいうと、すべての人に共通する安全な飲酒量はありません。年齢、性別、体質、持病、服薬状況などによって、アルコールの影響が異なるためです。
健康へのリスクを抑える基本は、次の3つです。
- 飲んだ量を純アルコール量で把握する
- 飲み始める前に上限を決める
- 飲まない日を設け、毎日の飲酒を避ける
純アルコール約20gに相当する代表的な量は、ビールならアルコール度数5%で500mlです。ただし、20gは誰にとっても安全な量を意味するものではありません。
少量の飲酒でも発症リスクが高まる病気があり、体質によってはさらに少ない量でも強い影響を受けます。お酒を飲まない人が、健康のために飲み始める必要もありません。
大切なのは、周囲の人と同じ量を飲むことではなく、自分の体調や体質に合わせて量を減らすことです。
お酒の適量の基準とは?健康との関係と基本知識
飲酒量を把握するときは、ビール何本、日本酒何合という数え方だけでなく、お酒に含まれる純アルコール量を確認します。
同じ350mlでも、アルコール度数3%の缶と9%の缶では、摂取するアルコール量が3倍違うからです。
純アルコール量とは?
純アルコール量とは、飲み物に含まれるアルコールそのものの重量です。次の式で計算できます。
純アルコール量(g)=飲酒量(ml)×アルコール度数÷100×0.8
最後に掛ける0.8は、アルコールの比重を表しています。
例えば、アルコール度数5%のビールを500ml飲んだ場合は、次の計算になります。
500ml×0.05×0.8=20g
商品の缶や瓶に純アルコール量が表示されている場合は、計算しなくても確認できます。複数の商品を飲むときは、それぞれの純アルコール量を合計しましょう。
以下は、純アルコール約20gに相当する量の比較です。
| お酒の種類 | 想定する度数 | 純アルコール約20gに相当する量 |
|---|---|---|
| ビール | 5% | 約500ml |
| チューハイ | 7% | 約350ml |
| チューハイ | 9% | 約280ml |
| 日本酒 | 15% | 約170ml |
| ワイン | 12% | 約210ml |
| 焼酎 | 25% | 約100ml |
| ウイスキー | 40% | 約60ml |
表の量は、種類を比較するための目安です。「ここまでなら健康に影響しない」という基準ではありません。
また、水割りや炭酸割りにしても、使用したお酒の量が同じなら純アルコール量は変わりません。見た目の量ではなく、グラスへ入れた元のお酒の量で考える必要があります。
純アルコール20gは安全な適量ではない
純アルコール20gは、飲酒量を比較するときによく使われる単位です。しかし、現在の公的な飲酒ガイドラインでは、一律の安全量として示されているわけではありません。
生活習慣病のリスクを高める量として示されているのは、1日当たりの純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上です。ただし、これは個人の許容量や「ここまでは飲んでも安全」という線引きではありません。
高血圧や一部のがんなど、少量の飲酒でもリスクが上がるとされる病気があります。健康への影響を減らすという観点では、飲酒量は少ないほどリスクを抑えやすくなります。
適量が人によって違う理由
同じ量を飲んでも、酔い方や健康への影響は同じではありません。
特に注意したいのは、次に当てはまる人です。
- 少量でも顔が赤くなる
- 女性
- 高齢者
- 飲酒経験の少ない若年者
- 肝臓病や高血圧などの持病がある
- アルコールと相互作用する薬を服用している
- 過去に飲酒量を自分で制御できなくなったことがある
飲酒後に顔が赤くなる人は、アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い可能性があります。飲み続けて鍛えれば体質が改善するわけではありません。
顔の赤み、動悸、吐き気、強い頭痛などが出る場合は、無理に周囲へ合わせず、飲酒を中止しましょう。
飲酒を避ける必要がある場面
飲む量を調整するのではなく、飲酒自体を避けるべき場面もあります。
- 20歳未満
- 妊娠中や授乳期
- 運転や危険を伴う作業の前
- 服薬後で、飲酒の可否を確認できていないとき
- 病気の療養中
- 入浴や激しい運動の前後
- 強い疲労や睡眠不足があるとき
飲酒運転は、飲んだ量の多少にかかわらず禁止されています。「少し休んだから」「水を飲んだから」と自己判断して運転してはいけません。
飲みすぎによる身体への影響を確認したい方は、「お酒の飲みすぎの危険性とは?体への影響を解説」も参考になります。
健康的に楽しむための飲み方|適量を守るコツ
飲みすぎを防ぐには、意志の強さだけに頼らず、飲み始める前に仕組みを作ることが重要です。
「今日はビール500mlまで」「チューハイは350ml缶1本だけ」のように、具体的な容量や純アルコール量を決めておきましょう。
飲む前に量を決める
お酒を飲み始めると判断力が低下し、予定していた量を超えやすくなります。そのため、飲む前にその日の量を決める方法が効果的です。
家庭で蒸留酒を飲む場合は、目分量で注がず、計量カップや目盛り付きグラスを使います。大さじ1杯は約15mlなので、計量器具がない場合の目安にもなります。
ボトルをテーブルへ置いたままにせず、決めた量だけを別の容器へ移す方法もあります。「少しだけ追加」を繰り返す失敗を防ぎやすくなります。
ゆっくり飲む
短時間に多く飲むと、血中アルコール濃度が急上昇しやすくなります。一気飲みは避け、食事や会話を楽しみながら少しずつ飲みましょう。
時間だけを基準にすれば安全になるわけではありませんが、飲むペースを落とすと、自分の酔い具合を確認しやすくなります。
実践しやすい方法は、次のとおりです。
- 一口飲んだらグラスをテーブルへ戻す
- お酒を続けて口にしない
- 最初の1杯を急いで空けない
- グラスが空いてもすぐに追加しない
- 食事や会話の時間を挟む
大きなジョッキを短時間で飲むより、小さなグラスへ決めた量だけ注ぐほうが管理しやすくなります。
水や炭酸水を一緒に飲む
お酒の合間に水や無糖炭酸水を飲むと、飲酒のペースを落としやすくなります。水をチェイサーとして用意し、お酒と交互に飲む方法がおすすめです。
ただし、水を飲んでも摂取済みのアルコールが早く抜けるわけではありません。酔いを覚ます方法ではなく、お酒だけを連続して飲まないための工夫と考えましょう。
ハイボールや水割りにするときも、使った原酒の量を測ることが大切です。薄く作っても杯数が増えれば、純アルコール量は多くなります。
空腹で飲まない
空腹時に飲酒すると、アルコールが短時間で吸収されやすくなります。飲酒前または飲酒中に食事を取り、血中アルコール濃度の急な上昇を抑えましょう。
食べながら飲む場合でも、おつまみの量や内容には注意が必要です。揚げ物、加工肉、塩分の多い料理ばかりを選ぶと、エネルギーや塩分を取りすぎる可能性があります。
次のような食品を組み合わせると、食事全体のバランスを取りやすくなります。
- 刺し身や焼き魚
- 冷ややっこ
- 枝豆
- 野菜料理
- きのこ料理
- 海藻の小鉢
- 卵料理
「お酒とおつまみだけ」で夕食を済ませず、主食、主菜、副菜を意識することも大切です。
飲酒しない日を設ける
毎日飲み続ける習慣を避けるため、1週間の中に飲酒しない日を作りましょう。公的なガイドラインでも、1週間のうちに飲まない日を設けることが勧められています。
休肝日を設けても、ほかの日にまとめて大量に飲んでは意味がありません。1日単位だけでなく、1週間全体の純アルコール量も確認してください。
例えば、カレンダーに飲まない日を先に登録しておくと、予定に流されにくくなります。炭酸水、ノンアルコール飲料、お茶などを用意しておけば、晩酌の雰囲気を残しながら休みやすくなります。
飲酒量を管理しやすい低アルコール商品3選
ここでは、一般的なお酒と比べてアルコール度数が低く、純アルコール量を把握しやすい商品を紹介します。
低アルコール商品でも、飲む本数が増えれば摂取量は多くなります。「低アルコールだから健康によい」と考えず、容量と度数の両方を確認してください。
1.アサヒ ビアリー
アサヒ ビアリーは、アルコール度数0.5%の微アルコール飲料です。350ml缶1本に含まれる純アルコール量は約1.4gで、一般的なビールより大幅に少なくなっています。
ビールらしい風味を残しながら飲酒量を減らしたい日や、通常のビールと置き換えたい場面に向いています。
ただし、アルコールをまったく含まない商品ではありません。運転前、妊娠中や授乳期など、アルコールを避ける必要がある場面では選ばず、アルコール度数0.00%の商品を確認してください。
2.松竹梅白壁蔵「澪」
澪は、アルコール度数5%のスパークリング日本酒です。マスカットを思わせる香りとやさしい甘味があり、一般的な日本酒より低い度数で楽しめます。
純アルコール量の目安は、150mlで約6g、300mlで約12gです。容量の小さい150mlボトルを選ぶと、飲む量を最初から決めやすくなります。
甘く飲みやすい商品ですが、ジュースではありません。大きなボトルをそのまま飲むより、飲む分だけグラスへ注ぎ、残りは適切に保管する方法がおすすめです。
3.サントリー ほろよい
ほろよいは、アルコール度数3%を中心とした低アルコールの缶入り商品です。350ml缶1本に含まれる純アルコール量は約8.4gになります。
味の種類が多く、アルコール特有の苦味や刺激が気になる人でも選びやすい点が特徴です。1本単位で量を管理できるため、家飲みで上限を決めたい場合にも使えます。
甘味によってアルコールを感じにくい商品もあります。飲みやすさと身体への影響は別なので、短時間で飲み切ったり、続けて複数本を開けたりしないよう注意しましょう。
お酒は適量が一番楽しい|今日からできる健康習慣
お酒と長く付き合うために大切なのは、自分の適量を周囲に合わせないことです。
体調や飲酒する場面によっても、飲める量は変わります。以前は問題なく飲めた量でも、睡眠不足や加齢、服薬などによって負担が大きくなる場合があります。
まずは次の行動から始めましょう。
- 商品に表示された純アルコール量を確認する
- 飲む前に本数や容量を決める
- お酒と一緒に水を用意する
- 空腹のまま飲み始めない
- 1週間の中に飲酒しない日を設ける
- 顔の赤みや動悸が出たら飲むのをやめる
今日からできる飲酒量の記録
飲みすぎが気になる場合は、1週間だけでも記録を付けてみましょう。
記録する内容は、次の4つで十分です。
- 飲んだ商品の名前
- アルコール度数
- 飲んだ容量
- 純アルコール量
缶を何本飲んだかだけでなく、度数まで書くのがポイントです。アルコール度数3%の350ml缶と9%の350ml缶では、純アルコール量に3倍の差があります。
記録すると、週末だけ量が増える、家にボトルがあると追加してしまう、空腹時にペースが速くなるなど、自分の飲み方の傾向を把握できます。
飲酒量を減らせない、飲まないと落ち着かない、家族や仕事に影響が出ている場合は、意志だけで解決しようとせず、医療機関や保健所などへ相談してください。
お酒は、飲む量が多いほど楽しめるものではありません。飲むかどうかを自分で選び、飲む場合も少ない量で満足できる工夫をすることが、健康へのリスクを減らす第一歩です。
よくある質問
1日純アルコール20gまでなら安全ですか?
20gは、すべての人に共通する安全量ではありません。飲酒量を比較するときに使いやすい目安ですが、少量でもリスクが高まる病気があります。
年齢、性別、体質、持病、服薬状況によって影響が異なるため、飲酒する場合はできるだけ少ない量にしましょう。
ビールとワインでは、どちらが身体への負担が少ないですか?
お酒の種類だけでは判断できません。健康への影響を考えるときは、飲んだ容量とアルコール度数から純アルコール量を確認します。
ビール500mlを1本飲む場合と、度数12%のワインを約210ml飲む場合では、どちらも純アルコール量は約20gです。
水をたくさん飲めば酔いは早く覚めますか?
水を飲んでも、体内に入ったアルコールの分解が急に速くなるわけではありません。
水は飲酒のペースを落とし、お酒だけを連続して飲むのを避けるために役立ちます。飲酒後は時間を置いても自己判断で運転せず、飲酒した日は運転しない前提で行動してください。
休肝日は週に何日必要ですか?
公的なガイドラインでは、一律に日数を指定するのではなく、1週間のうちに飲酒しない日を設けるよう勧めています。
まずは実行しやすい日を決め、毎日の飲酒を避けましょう。休肝日の前後にまとめて飲むのではなく、1週間全体の量を減らすことが重要です。
顔が赤くなっても飲み続ければ強くなりますか?
飲み続けても、アルコールを分解する体質そのものが改善するわけではありません。酔いの感覚に慣れても、身体への影響がなくなったとはいえません。
顔の赤み、動悸、吐き気、頭痛などが出た場合は、それ以上飲まないようにしましょう。
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